れいじのなかのれいじ

神威怜司のbookメモ&思考メモです。

ビジネス書ではなく、近未来SF小説? -【本】「2022-これから10年、活躍できる人の条件」 神田 昌典

この本は近未来のことを描いたSF小説のように読める本。PHPビジネス新書から出ているが、ビジネス本という感じはしなかった。夜12時ぐらいから読み始めて、一気に読んでしまった。次の日が休日でよかった。

 

この本、買う時にとても悩んだ。理由は「これからの10年、活躍できる人の条件」といった言葉がタイトルに入っている点。私の勝手なイメージで恐縮だが、短期的に使える人材になっても仕方ないなー、と思う気持ちがあった。しかし、このイメージは読み始めてから、自分の認識が間違っていた、ということを知る。なぜタイトルに「10年」が入るかは、これから10年が日本にとって世界を引率できる価値観を作れるか、それとも衰退の一途を辿るのか、といったどちらよりに向かっていくのか非常に重要な10年になるからだ。詳しい話は実際に本を読んで、自分自身で体験してもらいたい。

 

新たな価値観を著者は「つながり、共感」の時代だという。これは「評価経済社会」を提唱している岡田斗司夫さんが考えているこれからの価値観とも似ている。そして、今月の雑誌「BRUTUS」の特集はシェアハウス特集である。私の情報収集の偏りも否めないが、これからは「つながり、共感」の価値観が強くなっていくという雰囲気を感じ取れる。facebookでも友達がどんどん増えていくし、私を含め、みんな「つながり」を求めているのは実感としてある。

 

「評価経済社会」 岡田斗司夫

 

雑誌「BRUTUS」No.725

http://magazineworld.jp/brutus/725/

 

さらに歴史のサイクルや商品の寿命サイクルの見方の1つが学べる本。この方法を知るためだけでも、この本を読む価値はある。さらに、神田さんからの激励も織り交ぜてあって、自己啓発系の要素も入っている。一部分は、子育て本としても使えるのではないかとも思わせる。

 

私にとっては、買ってよかった本であった。

 

 最後に、自分がいいな、と思った文章を抜粋。

 

P.26

  • 未来とは選択であり、それは意思によって実現する。

未来は選択によって創られるんだなー、と改めて思うきっかけになった言葉。「今の自分」は過去の選択によってなりたっている。過去の選択に意思はあったか?と考えると、意思はあったような気がするが、そんな強い意思はなかったなと。覚えてないのだから、ほとんど意思はなく、なんとなくだったんだろう。

 

P.205

  • 何が儲かるかで仕事するのではなく、何かに情熱を持ち続けることができるか。

情熱を持てるものを見つけるのが、とても難しい。というか、わからない。最近思うことは、情熱を持つものを見つけることはないのではないかと。「やりたいこと」、「情熱をもてること」、これらを「持て!」というのは社会の脅迫ではないか?見つかればいいが、「見つけなければならない」と思うことはないんじゃないかなと。

「情熱をもてること」が仕事、ライフワークになる。これと出会えること、見つけられることは1つの才能である。

 

P.247

  • 過去からの価値観は、新しい歴史サイクルに入ったとたん、なぜ自分があんなことをのぞんだのか、わからいほど突然、色褪せる。

今が価値観の転換期。「金」や「権力」といった価値観から、「つながり」、「共感」といった価値観が大切にされるのかな。