れいじのなかのれいじ

神威怜司のbookメモ&思考メモです。

『未来』は予測できないことを教えてくれる一冊 -2050年 衝撃の未来予想 苫米地 英人ー

苫米地英人氏の新刊。

 

といっても、このentryを書いている今ではすでに新刊ではなくなってしまったが、、、

そもそも私が本書を手に取るのが遅かった、というのもあるし、読了してからentryを書くまでに時間も過ぎてしまったというのがある。

新刊で出たときに、好きな著者であることに加え、未来予測に興味がある私としては、読みたい!と思ったが、なかなか購入までは踏み切れなかった。

しかし、本書を読み進めていくと、「もっと早く買って、読んでいればよかったっ!!!」と、悔しくも思いながら、グングンと読み進め、読了してしまった。

 

私なりに解釈した本書のメッセージは以下である。

 

5年、10年先という先が読める未来は『未来』ではなく、実現する現実でしかない。もっと先の『未来』は誰も読めないもの。『未来』は読めないのだから、今、私たちができることは自分のやりたいことをやること。

 

5年、10年先の未来はすでに権力者によってデザインされており、その中で成功したところで、権力者の手の中で踊らされているに過ぎない。というのを、苫米地氏自身の通訳者、そして研究者としてのキャリアから様々な例を上げて説明している。この部分を読むだけでも価値がある。

 

そして30年、40年後の未来での通貨の在り方、それに伴う国家の在り方や、テロの脅威についても論じていて、思考の幅を広げてもらえる。

 

私はこれまで「未来はテクノロジーにより、より良くなる」という論調の本をよく読んできたので、そんな私にとっては「飛躍的なテクノロジーの発展によっても、やはり未来はユートピアにはならないんだな。」と思わせてくれた本である。

ただし、未来がデストピアか?といったら、そうでもなく、未来のなるだろう姿の一例を、リアリティに感じさせてくれる。

今までもそうであるが、これからも人類史上で最も豊かな時代は継続してく。ただし、その豊かさに私たちは慣れてしまうので、結局は時代の空気に惑わされ、不幸な人もでてきてしまう。みんながテクノロジーによって幸福になれるのではなく、幸福は自分で創り出すしかないのだ。そして、その「幸福」という感情を創るのは自分自身でしかない。自分のマインドを自分でコントロールすることが、幸福に繋がる。これは今でも変わらないし、これからも変わらない。人間の基本OSは2000年以上更新されていないのだから、結局は自分次第なのだ。

アプリ(道具)は飛躍的に増えたが、人のあり方は変わっていない。

だから、私たちは子孫を残そうとするし、人に愛されたいと思う。より多くの資産が欲しいと思う。そして、殺人はなくならないし、戦争もなくならない。

 

結局、「今」生きている時間が重要なのであって、過去も未来の姿もすべて自分で勝手に創り出したことに過ぎないのだ。その勝手なイメージがポジティブなものであればいいが、そのイメージがネガティブなもので、そのイメージに縛られて、不幸を感じるのは避けたいところ。

「今」を決めるのは、今している行動である。自分がやっている行動が楽しければ、楽しい気分になるし、やっている行動が辛い、苦しいものであれば、嫌な気分になる。そして、人間はその時の気分によって、世界から取り入れる情報を変えている。だから、自分が楽しい!と思う、やりたいことをやって、その楽しい行動を積み重ねていくのが、未来の自分への資産になるのだ。楽しい行動というのは、成長の原動力にもなる。そして、やりたいことをやっていればその行動に没頭するので、争いを起こそうなんて思わない。

 

しかし、この「やりたいこと」が自分でわかっている人とわかっていない人に、格差が生じているのが現代である。 「やりたいこと」は自分で見つけるしかないし、見つけるためにはいろんなことにチャレンジすることが大事。そしていろんなことにチャレンジするためには大抵の場合、マインドも変える必要がある。ざっくり言ってしまえば、「気の持ちよう」ということになり、自分の気持ち次第になるのだ。ただ、自分の気持ちに素直になることに対し、ブレーキをかけるのが、世間の雰囲気である。この雰囲気からいかに離脱できるか、いい意味で空気が読めないやつ、になるかは、いろいろと世の仕組みを勉強する必要があるし、コーチングも必要になってくる場合がある。

 

長々と書いたが、私としてはいろいろと思うことがある。そして、本書はいろいろと思考を巡らすきっかけをいくつも与えてくれる。これは私だけでなく、本entryを読んでくれている読者も同様だと思う。ただ、私と同様の考えにはならないだろう。だが、思考のエンジンは動くはずだ。

 

本書で思考のエンジンを動かしてみてください。