れいじのなかのれいじ

神威怜司のbookメモ&思考メモです。

生産性の数値化は可能か??

 
昨日(2017年1月16日)の日本経済新聞の以下の記事が興味深かった。
 
日立、IoTで働き方改革へ米社と提携 職場をAI解析・助言
2017/1/16 1:31 日本経済新聞 電子版
 
近年、IoTは工場等を中心に企業が取り入れを活発化しているが、本記事はIoTを「人間」にも応用しようというものである。
記事内では机や椅子、会議室、そして人間等にセンサーを付けて、人間のオフィス内での行動データを得て、より良くオフィス環境を改善(設備のレイアウト変更)することや、
最適な作業手順を助言するなどして、社員の行動をより最適化し、業務効率の向上に役立てようとするものだ。
 
これを応用すれば、これまでブラックボックス、あるいは暗黙の了解で無視してきた、会社員一人一人の生産性も数値化できてしまう。
ただ、この方法から求められた生産性という「数値」にどれだけ意味があり、実際の結果との妥当性は定かではないものの、とりあえずの「数値化」ができてしまう。
数値化ができてしまうと、それによって順位をつけることもできてしまうわけで、人事評価等にも利用できる可能性がある。
 
生産性の数値化はある軸(例えば、机に座っている時間)と成果とを対応させることで可能になるので、成果と対応させる軸によって生産性の数値は変化する。
もし企業がIoTを使って成果を数値化する場合には、どのような評価軸を設定するのかが、とても気になるところである。
私としては、一見、非効率な行動をとるところに、人間のよさ、人間らしさがあると思っているので、生産性の数値化はしてほしくないな、と個人的には思っている。
まあ、逆に言えば、IoTによって成果が適切に数値化できてしまう仕事は、人間がするべき仕事ではなくて、「その仕事から人間が解放された」、と喜ぶべきポジティブなこととも言える。
 
人間の仕事の仕方が変わっていくことを考えさせられる記事であった。