れいじのなかのれいじ

神威怜司のbookメモ&思考メモです。

落合陽一氏の著書「超AI時代の生存戦略」を読んで

「現代の魔法使い」と呼ばれる落合 陽一氏の3冊目の著書。

落合氏は食生活が変わっていることでも知られている。炭水化物は眠くなるからなるべく接種せず、基本の食事はグミという。カップ麺を食べるときでも、お湯は入れずにそのまま食べる、とのこと。こうすることで、カップ麺を時間がたっても食べられるのでいい、という。なかなか変わった人だ。

 

本書ではこれからの時代を「超AI時代」と呼び、超AI時代はどんな時代か、超AI時代での「生き方」、「働き方」、「生活習慣」に大きく分け、合計34のキーワードを立て、各キーワードについて考えを述べている。

 

私の印象に残っているものは「趣味性」である。

機械、コンピューターがどんどんと人間の労働を肩代わりしていってくれる時代では、人間にしかできないこと、の重要性はどんどん高まっていく。これは最近では至るところで言われていることだ。

このような中で落合氏は人間にしかできないことの1つに「趣味を持てること」を挙げている。現在とこれから数十年のコンピューターは特定の入力があって、特定の出力をするものである。

しかし人間はいろんな入力から、「これやりたい」、「こうしてみようかな」といったモチベーションが湧き出てくる。そしてなぜこんなモチベーションが出てくるのか、相手はもちろんのところ、自分でも明確に理由はわからない。ただ自分の心の中の琴線に触れたのだろう。この琴線は目で見えるものでないし、自分でわかっているものでもない。

この琴線に触れたときに感じる感情が、「かっこいい」とか「すごい」とか「いいな」という感情なのだろう。このようなことはコンピューターには生み出せないものである。将来的にはできるのかもしれないが、今、そして数十年は無理だろうと私は思っている。これから数十年はあくまでもコンピューターは人間の道具であり続けると思う。人間の能力を助けたり、人間の労働時間を減らしてくれるものである。そして生産性を高めて生まれた時間を趣味に費やすことができるようになる。

 

この世は人間皆が同じ趣味をしているわけでなく、趣味は多様にあり、その多様な趣味を我々人類は楽しんでいる。

僕の友達は釣りにはまっているが、僕は釣りにははまっていない。友達からおもしろいよ、と言われてもなかなか腰が上がらない。この「はまる」というのは人間特有の個性で、今後も大切にされるべきものだろう。

この自分が感じる感覚を大切にするのがこれからの世界で重要になっていて、はまれる趣味っていうのは、自分の個性を高めるものになる。

そして落合氏ははまれる趣味を3つ持つことを推奨している。1つではなく、2つでもなく、3つだ。人間は「3」が好き、ということも言われるがそれで3つではないと思う。

このようなことは言い方、表現を変えて堀江貴文氏の最近の著書「すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)」でも、藤原和博氏も言っている。

 藤原氏が言っている自分の強みが3つになると三角形が作れて、この三角形の内面積が自分の信用、自分のオリジナリティになるといっていて、腑に落ちる。

点が3つになることで、面積が生まれるのだ。この面積をいかに作るかが、今後の世界では重要であり、この面積の作り方に正解はなくて、自分で各頂点を決めて作っていかなければならない。

この各頂点を決める指標となるのが趣味である。長く続く趣味は自分で「いいな」と思っているものである。無理やりやっている趣味は長く続かない。長く続かないとなかなか自分の三角形の中の頂点の1つにするのは難しい。 

 

これからはこれまで以上に自分の好きなことをやって生きられる時代である。が、この好きなことは自分で決めなければならない、という点で難しい人には難しい時代になるかもしれない。

 

超AI時代の生存戦略 ~シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

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すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)